運動について
カナダの2人の高校生の行動をきっかけに始まった、いじめ防止の取り組みです
ピンクシャツデー運動のはじまり
ピンクシャツデーは、カナダの高校生がはじめた「いじめ反対」運動です。
2007年、カナダ・ノバスコシア州――――
中学3年の男子が、ピンク色のポロシャツを着て登校したことを発端に、性的なからかいや暴行などのいじめにあいました。それを知った高校3年生の男子2人が、「いじめはもうたくさんだ」と、ピンク色のシャツを買い集め、学校のネット掲示板やメールを通じて、「明日、みんなでピンクのシャツを着よう!」と呼びかけました。
翌朝、みんなに配ろうと大量のシャツをもって学校に行くと、そこには、みずからピンク色のシャツや小物を身に着けて登校する生徒たちの姿が・・・。
彼らの呼びかけを知った人たちが情報を拡散し、多くの生徒たちが賛同。学校中がピンク色になったのです。これによって、いじめを受けた生徒は安心して学校に通えるようになり、その学校でのいじめは自然になくなったといいます。
世界へ広がる運動
ピンクシャツデー運動は、現在、180以上の国と地域に広がっています。
学生たちがみずから始めた「いじめをやめよう」「いじめをなくそう」というアクションは、地元メディアで話題となり、一気にカナダ全土へと広がりました。2008年2月、カナダのブリティッシュ・コロンビア州知事が、「2月の最終水曜日を〝ピンクシャツデー〟にする」と宣言。賛同の動きはさらに広がり、現在では、180を超える国と地域におよぶ世界的運動に発展しています。
日本では、2011年2月、国内初のピンクシャツデー団体「日本ピンクシャツデー」(非営利)が設立されたのを皮切りに、各地でさまざまな団体や企業、学校、個人の方々が運動に参加し「いじめストップ!」を呼びかけています。
2017年、ピンクシャツデー運動が活発なカナダ・バンクーバー市長を表敬訪問する
鈴木一男氏(株式会社ダイイチ代表取締役会長 2018~2020年推進委員)
わたしたちの活動
ちがう国籍。ちがう文化。ちがうファション…。
ちがうことはあたりまえ。ちがうことは大切な個性。
だからこそ、たがいを認め合う神奈川に。共に生きる神奈川に。
2018年、神奈川県内では、他の人の尊厳や命を踏みにじるような凄惨な事件が相次いでいました。すでに世界的な運動となっていたピンクシャツデー運動を、身近なところから広めていくことによって、「子どもや若者が生きる喜びと未来への希望を育める神奈川」になることを願い、県内の企業、団体、有識者からなる「ピンクシャツデー2018 神奈川推進委員会」を立ち上げました。
寄付協賛を募り「いじめストップ!」を呼びかける活動を開始すると、全国初の行政・企業・団体・NPOがつながる一大キャンペーンとなり、その様子は、NHKなどのテレビ番組や新聞各社で取り上げられ、想像以上の広がりとなりました。
2018年以降も、毎年2月のピンクシャツデー月間には、県内各所で地元の方々や行政と協力して、啓蒙イベントやチャリティ活動を開催しています。子どもたちの未来のために、さまざまな垣根を越えて繋がり、ピンクシャツデー運動を神奈川県内に定着させていきたいと思っています。